YAMAPの「見守り機能」がすごい!登山者、トレイルランナーは積極活用しよう。
最終更新日 2019.8.27
少し前に、YAMAPからリリースされた「見守り機能」
YAMAPユーザーの方は、もう既に試した方も多いのではないでしょうか。
これ、かなり画期的です。
登山の初中級者は、是非とも全員に活用してほしいぐらいです。
今日は、この見守り機能について、特徴や使い方などを紹介しておきたいと思います。
もくじ
見守り機能とは?
画像は「山で“人とすれ違う”ことで、誰かの命を救えるかもしれない機能をつくりました」より転載させてもらってます。
詳しくは上記の記事を読んでもらえればわかりますので、こちらではざっくりと説明したいと思います。
見守り機能とは、YAMAPのアプリ内の機能で、登山中の自分の位置情報を、自動的に家族や友人に共有(送信)してくれる機能です。
現在地の定期送信はありそうでなかった
見守り機能では、基本的に2時間ごとに、指定した相手にメールで位置情報の通知が送信されます。
※通信状況などにより、必ずしも2時間ごとに送信されるわけではありません。
ぼくは以前から「ジオグラフィカ」という登山用のGPSアプリを使用しているんですが、ジオグラフィカには現在地をメールやツイッターに送信する機能があって、もしものときを考えれば、その機能を活用するメリットは大きいので、「山行中は定期的に送信するようにしよう♪」と思ってました。
しかし、一度も送信することはありませんでした。。
- 備えあれば憂いなし。わかっちゃいるけど、それができないのが人間ですからね。。
だから、ずっと「15分置きなどの一定間隔で自動的に送信してくれる機能があればいいのになー」と思ってたんです。
つまり、見守り機能がそれを叶えてくれたわけです。
通信圏外(オフライン)でもデータが送信される
見守り機能が画期的なのは、自分のスマホが通信圏外(オフライン)でも、こんにちは通信(※)をしたユーザーのスマホが通信圏内(オンライン)になれば、自分の位置情報をYAMAPに送信してくれる点です。
※スマートフォンのBluetooth通信を利用し、山行中にすれ違ったYAMAPユーザー間で位置情報を交換するための通信
以下のようなイメージです。
ユーザー同士で位置情報を交換
どちらか一方がオンラインになれば位置情報が送信される
画像は「山で“人とすれ違う”ことで、誰かの命を救えるかもしれない機能をつくりました」より転載
- これの凄さがわかりますか?
上記の図だと、オフラインエリアが山頂付近の一部なのでイメージしづらいかもしれません。
例えば、登山口から谷筋を登っていくような登山道の場合は、入山から下山までのほとんどがオフラインエリアなんてこともあります。
しかし、そんな山で遭難してしまった場合でも、山行中に他のYAMAPユーザーとすれ違っていれば、そのユーザーが下山後にオンラインになった際に、すれ違った地点までの位置情報は送信されるわけです。
それともう一つ大きなメリットに気づきました。
山域によって、docomoなら電波が入るとか、auの方が電波が強いとかあるので、山域とすれ違う相手のキャリアによっては、かなり強力なネットワークになりそうです。
YAMAPという利用者の多いツールならではの素晴らしい機能ですね。
GPS情報は救助活動を劇的に円滑にする
さて、この見守り機能ですが、家族などが位置情報を把握して、ユーザーの山行を見守ることができるわけですが、本領を発揮するのは遭難など、本人にもしものことが起こったときです。
一般的にソロや少人数の山行で遭難した場合は、主に以下の情報をもとに捜索することになります。
- 家族が聞いてる山行予定
- 登山届に記載された山行予定
- 他の登山者の目撃情報
家族には「どこの山」ぐらいしか言わない人がほとんどでしょう。
登山届は、経由地などを含め、全行程を細かく記載していたとしても、どこで道迷いやトラブルが発生したのかはわかりません。
目撃情報は、目撃された地点までは、遭難者が工程を消化したことがわかりますが、その後どこでトラブルが発生したのかはわかりませんし、そもそも遭難されない可能性もあります。
その点、見守り機能で送信されたGPS情報は、最後に送信された地点までの全てのトラッキング情報(オフラインで通過した地点を含む)なので、他の情報に比べ、格段に捜索範囲の絞り込みがしやすく、救助活動を円滑にしてくれる可能性が高いのです。
見守り機能の使い方(事前準備)
使い方は簡単なので、まだ設定をされてない方はこれを見ながら設定をしてみましょう♪
- YAMAPユーザーではない方(非会員)でも見守り機能は利用できます。
- YAMAPのスマホアプリのインストールが必要です
アプリをインストールしてない方は、まずスマホにYAMAPアプリをインストールしてください。
▼会員登録をせずに見守り機能の設定を行う手順
以下、アプリ上での事前設定の手順です。
- マイページ右上の歯車のマークをタップ
- みまもり機能へ進み、スイッチをONに変更
- 名前(登録名)とメールアドレスを入力して登録
無事に登録が完了すると、通知先として登録したメールアドレスに、以下のような通知メールが送られます。
登録した相手に、必ず通知メールが届いているか確認しましょう。
なお、赤枠で囲ったURLは、見守り機能を解除するまでは、同じURLで位置情報を確認することができます。
見守り機能の使い方(当日の操作、確認)
基本的に、当日は「活動を開始する」だけで、見守り機能(位置情報の共有)は自動的に開始されます。
活動を開始するには、当該エリアの地図がダウンロードされている必要があります。登山口が通信圏外の場合は、事前に地図をダウンロードしていないと、活動を開始することができなくなりますので、必ず事前に地図のダウンロードを済ませておきましょう。
出発前に必ず確認しておきたいこと
- Android
- [地図]>[設定画面]>[こんにちは通信]は「オン」になっているか?
- 端末のBluetoothは「オン」になっているか?
- iOS
- [地図]>[設定画面]>[こんにちは通信]を「オン」になっているか?
- [iPhoneのコントロールセンター]>[Bluetooth]は「オン」になっているか?
- [iPhoneの設定]>[プライバシー]>[Bluetooth共有]>[YAMAP] を「オン」になっているか?
実際に見守り機能を使ってみた
通知先は妻のメールアドレスを登録しました。
妻が受信した位置情報の通知メール
メール本文に記載されたURLにアクセスすると、マップ上の位置情報(軌跡)と座標が確認できます。
当時に、妻が受信した通知メールは、以下の4件です。
(1)09:09受信 09:09時点の位置情報の通知
(2)11:12受信 11:12時点の位置情報の通知
(3)13:14受信 13:14時点の位置情報の通知
(4)15:36受信 13:35活動終了(下山)の通知
(1)の9:09は活動開始時です。
その後は、2時間おきに計2回の位置情報と活動終了の通知メールが送信されました。
(1)〜(3)の位置情報は、全てタイムリーに送信されていますが、僕のスマホ(docomo)はずっと通信圏外だったので、おそらく同行者(au)とのこんにちは通信により、相手側の通信で位置情報がYAMAPに送信されたものと思われます。
- 同行者でもキャリアが違うと電波をシェアできる感じになりますね♪
ちなみに、活動終了の通知はかなり後から送信されていますが、下山した時点でぼくのスマホは通信圏内になっていなかったので、その数時間後に街まで降りてから通信圏内になって、送信されたということです。
見守り機能で気になる点
基本的には素晴らしい機能だと思いますが、気になる点もあげておきましょう。
バッテリーの消費が激しい?
スマホのバッテリーへの負荷は結構ありそうです。
GPSの測位は、「モバイルデータ通信」を必要としないので、バッテリーへの負荷を軽減するために、以下のようなスタイルでYAMAPなどの登山用のアプリを使用している人はかなり多いと思います。
- 地図は事前にダウンロード
- 山行中は機内モード(オフライン)でアプリ使用
- GPSでログ取ると、バッテリーの減りが早いですからね(苦笑)
機内モードと比較した場合、「モバイルデータ通信」や「Bluetooth通信」を必要とする分、見守り機能の使用中は、明らかにバッテリーの消費が激しいはずです。
バッテリーの状態にもよると思いますが、満充電でスタートした日帰りの山行でも、下山までバッテリーが持たないケースもありそうです。
そんなことにならないためにも、山に入る際は、必ずモバイルバッテリーを必ず持っていくことをおすすめします。
▼日帰り山行なら、軽量コンパクトサイズがおすすめです♪
▼1泊以上、日帰りでもロングハイクなら、大容量が必須です!
送信間隔をもっと短くしてほしい
現在、位置情報の送信間隔は「2時間」ということです。
コースによりますが、2時間あれば、5kmぐらいは移動してもおかしくありません。山の中の5kmといえば結構な距離です。
それを半分の1時間(理想は30分)にでもしてもらえれば、もっと捜索範囲を絞り込みやすくなるのではないかと思います。
おそらくサーバーの問題などもあるのだと思うので、無料で使わせてもらえる以上は文句は言えませんが、今後の改善に期待したいところです。
電波が入りづらく、人とすれ違わない山ほど、遭難しやすい事実
これは当たり前の話で、決して見守り機能を否定するような話ではありませんので悪しからず。
つまり、最終的には登山者が正しい知識やスキルを持つことが一番重要だということは、何も変わらないということです。
まずは他人事ではないという意識から。
そういった意味ではこの見守り機能を使用することも意識の一つかもしれません。
まとめ:登山者同士で助け合うことができる素晴らしいシステムです
前述した通り、位置情報を自動で定期送信してくれる機能は、ぼくもずっと待ち望んでいました。
そういった意味では、本当によくやってくれたYAMAPあっぱれ!という感じです。
YAMAPが目指す見守りネットワーク
画像は「山で“人とすれ違う”ことで、誰かの命を救えるかもしれない機能をつくりました」より転載
こうしてより多くの人が見守り機能を使用することで、これまでの山岳遭難の歴史が良い意味で大きく変わるかもしれません。
皆さんも是非、自分のために、他人のために、見守り機能を使ってみてください。