今さら聞けない!五ケ山ダムの関連情報(現地視察にいってきました。)

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最終更新日 2019.4.18

みなさん既にご存知かと思いますが、4月の予定だった五ケ山ダムの供用開始は遅れています。

五ケ山ダム供用開始遅れ 雨不足で試験貯水完了せず(西日本新聞)

しかし、意外と知らない人もまだいるみたいですし、このブログでも「五ケ山ダム」絡みのキーワードで検索流入があって、それならば、先日キャンプ場の視察ついでにダムも見てきたので、改めてちゃんと記事にしておこうかなと思った次第です。

まっつん(猿ver)サムネイル
まじめか!(笑)

こちらの記事では遅れている現在の状況の他、五ヶ山ダム全般の情報も併せて記しておきます。

那珂川町はもちろん、ダムのメリットを享受する福岡市民の方々で、五ヶ山ダムのことをよくわかっていない方たちに一読いただきたい。

ひとまず先に撮ってきた写真を。

五ケ山ダムのダム湖と堤体





もくじ




ダム自体は完成しているが運用は開始していない。

ダム本体の建設工事は既に完了していて、今年の3/11には竣工式が開催されています。

しかし、試験湛水が思ったよう進んでおらず、運用開始に至っていません。




試験湛水とは?

ダム完成後に実際に貯水して安全性などをチェックする試験のことです。

具体的には、一定の水位まで貯まってから最低水位まで放流して、堤体や基礎岩盤などの安全性を検証します。その後に運用開始という流れです。

また、その一定の水位を「サーチャージ水位」と言いいます。

五ケ山ダムのサーチャージ水位は「413.4m」

最新情報の5/28付けの水位は「399.5m」で、あと「13.9m」とのこと。




遅れている理由と見通し。

理由は単に雨が不足していることらしい。

試験湛水は2016年10月に開始されていて、当初は2017年3月までに終えて、4月から供用開始する予定でしたが、3/9頃の時点で水位は「389m」。

3月から5/28まで2ヶ月半ぐらいで約10m増えている計算になるので、そうなると梅雨(ないし夏)には一気に貯まりそうに思えますよね。

しかし、6月から10月の雨量が多い季節は、安全上の問題でサーチャージ水位まで貯水することができない。

つまり5月までに貯まらなかったら、11月以降に持ち越しになるわけです。それに加え、試験湛水後は完成検査もあるのでだいぶ先になりそうですね。

現に、先日視察に行った際に、関係者に見通しを確認すると、平成30年度中に運用を開始するのはおそらく無理とのことでした。

桑河内ふれあい公園(キャンプ場)の遅れとの関連性はないとのことなので、正直ぼくは、ダム自体の遅れはどうでもいいんですけどね。

2019/4/18追記
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2019/より、福岡県内のダムの貯水量が低下したため、今年2月より始まった五ケ山ダムの放流は現在も継続中で、その影響で五ケ山ダムの水位は下がり、現在も試験湛水のめどは立っていません。
福岡市が県営五ケ山ダムの水を水道用水に 他ダム貯水量低下、来週にも [福岡県]
ーーー




五ケ山ダムの概要

ダム建設の目的
1978年に発生した福岡市の大渇水を機に、活水対策を主な目的として計画されました。
これまでの経緯
1988年 事業採択。
2012年6月 ダム本体工事開始
2016年10月 試験湛水開始
2018年3月 ダム本体が完成
建設地
福岡と佐賀の県境に位置します。
那珂川町大字五ケ山(福岡県側)
吉野ヶ里町松隈(佐賀県側)
仕様
堤高102.5m(メートル)
堤長556m(メートル)
総貯水容量4020万m³(立方メートル)※南畑ダムの6.7倍



五ヶ山ダム水源地域公園整備計画とは

「基本コンセプト」
水と緑の調和の中で 人々がつどい ふれあう

つまり、でっかいダム作ったんだから上手く活用しようということですね。

この「自然」とか「緑」を強調するこの整備計画が、「ダム建設で多くの自然を破壊した事実」のカモフラージュに思えてしまうのは、ぼくが捻くれているからでしょうか。。

予定している整備計画は色々あって、その目玉の一つがキャンプ場のある「桑河内ふれあい公園(仮称)」です。

キャンプ場について興味ある方は以下の記事をどうぞ。
[徹底解説]五ケ山ダムキャンプ場の詳細情報まとめ。オープンは来シーズンに延期決定!?

それ以外にもまだまだあります。




ダムサイト記念公園(仮称)

ダム堤体のすぐ横に整備される公園です。

写真中央やや右のところです。
五ケ山ダムのダム湖とダムサイト記念公園予定地

現在、国道385号線から背振の有料道路に向かう途中に通るところです。

ここには飲食店(カフェ?)や物販店舗などの商業施設が導入して、一大観光拠点にしようとしているようです。

ちなみに当初の計画書では建物は「古民家風」となってます。

よく聞く「モンベルが入る」と言われているのはここです。

個人的にはここにモンベルが入っても何も嬉しくないですね。飲食店もオシャレなカフェとかはいらないですよね。

それなら、有料道路の向こう側とバッティングしますが、道の駅など地産地消を促進するような施設の方が良い気がします。

それこそ糸島の「伊都菜彩」みたいなイメージですかね。(JA関連という意味ではなく。)

残念な感じにならないことを願います。




倉谷展望公園(仮称)

冒頭でアップしている写真はここから撮りました。

五ケ山ダムのダム湖と堤体

場所はキャンプ場の先の五ヶ山トンネルを通過してすぐの右側です。
五ヶ山トンネル

既に記念碑のようなものがありました。
原石の記念碑

ここはドライブやサイクリング中の方が、休憩などで立ち寄ったりする小さめの展望スポットですね。

そのとなりにある周辺案内。(クリックで多少拡大します。)

ビオトープが3箇所もありますね。

これについてはよく調べてないので今回は割愛しますが、なんとなく気になっているので、機会があれば調べて記事にしますね。




親水公園(仮称)

ダムの下側の河川沿いにできるようですね。

その名の通りですが、中ノ島公園のように水遊びができる感じです。

ダムから流れてくる決してキレイとは言えない川の水で、子供たちを遊ばせる気にはあまりなりませんね。

まぁ我が家も中ノ島公園では遊ばせてますけどね。子供が好きなので。。

ちなみに当初の計画書を見ると、ここの整備は那珂川町の分担ではないようで詳細はよくわかりません。

これらの公園整備計画の進捗はよくわかりません。

でも、ぱっと見た感じからすると、まだしらばくかかりそうですね。

五ヶ山ダムやキャンプ場と同様にオープンは来年度以降になりそうです。




五ケ山ダム建設にまつわるエトセトラ

ぼくは自然が大好きで山に入る人間なので、基本的には自然を破壊するダム建設には反対です。

もし五ケ山のダム建設の計画全体が10年遅かったら、ぼくは全力で反対していたのではないかと思います。

本当に必要だったのかどうかの結論は簡単に出ませんが、この自然保護や地球環境に関心が高い今の時代に、那珂川町の大切な自然を破壊してしまったのは事実です。

また、ダム湖の底に水没した集落もあります。もちろん住民の方たちは立ち退くことを余儀なくされたわけです。

ぼくら那珂川町の住民や福岡市民は、そういったダム建設の裏側にある事実をきちんと知り、本当に正しかったのだろうかと問い続けなければいけないと思います。

先日、五ケ山ダムの建設をずっと近くで見守っている方のブログを拝見しました。

数年に渡り、ダム建設について経過報告とあわせて綴られています。よかったら時間のあるときにでも読んでみてください。
Inoueinterior Room Blog

また大きな動きがあったら、ダム建設の記事は書きたいと思います。