ぼくが100キロウォークのために揃えた「必需品」と完歩のコツ
最終更新日 2019.9.23
先日、無事に糸島三都100キロウォークを完歩できました!
日本一過酷!?糸島三都110キロウォークを歩き抜きました!
ところで、100キロウォークの完歩率ってどのぐらいか知ってますか?
大会にもよりますが、別府行橋(100km)で70%前後。
そしてなんと!糸島三都(110km)になると、
歴代の平均完歩率は50%を切るそうです。
- え、半分はリタイヤするってこと?
そうです。完歩率は結構低い。簡単じゃないんです。
ぼくは登山をするので、足腰は鍛えられているし、それなりの自信がありましたが、それでも山仲間から完歩できなかったという話をよく聞きます。
つまり、いくら日頃からそれなりに運動をしていても、完歩できない人はたくさんいるんです。
なぜなら、100キロという距離や24時間歩き続けるというのは未知の世界で、誰でもこれまでに経験したことのない異変やトラブルが体に起こるからです。
また、いくら筋力(体力)があっても、膝や腰にバクダンを抱えている人は、レース中に大なり小なり確実に痛みが発生します。
初参加の人の完歩率が著しく低いのは、そういった想定や対策をせずに望むケースが多いんです。
それらを想定して対策することで、完歩への道がはじめて開けてきます。
ぼくが完歩できたのは、経験者からアドバイスをもらい、予め対策ができたことに尽きると思います。
こちらの記事では、その対策やコツをまとめておきたいと思います。
もくじ
大前提として10キロで筋肉痛になる人は無理
100キロウォークは「気力と根性」という人がいますが、普段からあまり歩かない人や全然運動していない人はまず無理だと思います。
そういう方は半年ぐらいは準備(トレーニング)期間が必要だと思ってください。
ひとつの目安として、30キロぐらい歩いても、筋肉痛にはならないぐらいの筋力を備えておきましょう。
まず、ぼくが揃えた「必需品」たちを紹介していきましょう♪
トップアスリートも必須!?乳首の擦れ防止
これ、レースやる人からしたら割と常識のようですが、シャツで乳首が擦れて痛くなって、最悪はリタイヤせざるを得ないほどに。。
オイルや軟膏などを塗って対策する人もいるようですが、レース中の塗り足しも必要ないニプレスがおすすめです。
- 乳首痛くてリタイヤとか絶対いやー(笑)
対策必須です!
なんと!肛門にもケアが必要!?
実はこれも100キロウォークでは常識なんです。
歩いて擦れる箇所は、今までの人生で経験したことのない回数で擦れます。
想像がつきませんが、肛門が擦れて痛く人が結構いるそうです。お腹下してお尻拭きすぎた時みたいな感じでしょうか。。
- 肛門痛くてリタイヤは乳首より嫌やー(笑)
レース前やチェックポイントなどで馬油を塗っておくことで対策します。
対策しなくても大丈夫な人もいるようですが、痛くなってからでは手遅れなので、これも対策必須です!
太めの方は股ずれで太ももの内側もやられるそうなので要注意です。
熱中症で倒れる人も続出!?
開催日程は春や秋が多いと思いますが、油断は禁物です。
先日の糸島三都は4/21,22でしたが、両日ともに最高気温は27度にもなりました。
晴れていれば日中は炎天下で歩き続けなければなりません。ぼくの仲間も熱中症で頭痛に見舞われ苦しんでいました。
肌の露出は禁物!しっかりガードしましょう。
先日のレースでも半袖、短パンで肌を露出している人がたくさんいて驚きましたが、紫外線を浴び続けると著しく体力を消耗するのは確かです。
紫外線防止アイテムを上手に活用しましょう!
サポートタイツを履けば、短パンでも肌は露出しませんし、疲労も軽減されるので、かなり違います!
アームカバーは脇の通気性が確保できて不快感もないし、つけ外しができるので体温調整もしやすいです!
よく後ろにスクリーンがついているキャップをみかけますよね。
これはぼくも「ダサいよなー」と思ってましたが、これもあるとないでは大違い。とにかく日に当たる時間が長いので、首元や耳元はかなり焼けます。
体力の消耗はもちろんですが、ぼくは肌が弱くて、首の後ろ側がボロボロになってしまうので、特に晴れている場合は必須でした。
これは参加して分かったことですが、100キロウォークは一日中歩くし、コースによっては歩く方角も変わります。「正面からの朝日」や「真横からの西日」などがあり、背中側だけガードするものでは完全な対策になりませんので、人によってはこうして全面的に覆うようなものの方が良いかもしれません。
あと見落としがちなのがサングラス!
どれだけ肌を隠しても「目から紫外線が吸収される」のは今や常識かと思ってましたが、やっぱりレースでサングラスをしていない人は結構いました。
紫外線をカットするサングラスをしているのと、何もしていないのでは、雲泥の差です。
ちなみに、アームカバーとサングラスは紫外線をきちんとカットできるものであれば、別の商品でも全く問題ないと思います。
塩分補給も熱中症対策には欠かせません!
スーパーやコンビニでも「塩分チャージ」的なものをよく見ますが、夏の登山でも色々試した結果、これが一番効果がありました。
山好きなだけにヒマラヤという名称が気に入っているのは否めません(笑)
まとめです。熱中症対策のポイントは大きく分けて2つ!
- 肌をしっかりとガード
- 塩分チャージ
この2つのポイントをしっかりと対策して熱中症を防止しましょう!
肉刺(まめ)は仕方ない?いやいや防止できます!
100kmウォークでまめに苦しめる人は多いと思います。
- 血まめが潰れて白いシューズが血が滲んでる人もいたよ泣
「100キロ」「24時間」も歩けば、そりゃ肉刺(まめ)もできて当たり前なんて思っていませんか?
いやいや、肉刺は防げるんです。
まめは足が蒸れてふやけた状態で、靴と足が擦れることで皮膚に水分が侵入してできるので、靴の中が蒸れないようにすることで、未然に防ぐことができます。
そこでこの素材が和紙でできたイトイテックスの靴下が大活躍してくれます♪
既にランナーやウォーカーの間でもかなり定着してて、100キロウォークでは必需品になりつつあります。
ぼくは交換用と二足用意して、中間地点で履き替えて、一切まめができることなく(靴の中を蒸らすことなく)ゴールできました。
もちろんこれを履いてた友人もまめは一切できていません。
また、靴と足の摩擦が少ないことが重要なので、サイズのあったシューズを履き、靴ひもの結び方などにもしっかりと注意して、靴の中にあそびができないようにしましょう。
まめ防止のポイントは大きく分けて2つ!
- 足を蒸れさせない(←イトイテックスでOK)
- 靴の中にあそびを作らない(←靴のサイズと靴紐はしっかり結ぶ)
この2つのポイントをしっかりと注意して、まめをしっかり防止ましょう!
雨が降って靴の中がビショビショになったら最後です(笑)
関節痛がある場合は必ず事前に対策!
主に「膝」や「足首」ですね。
なんとか歩けても、痛みに耐えて、足を引きずりながら歩く人も結構います。それでも制限時間以内にゴールできなかったり。。
ぼくの場合は膝痛でした。
もともと山でもそれなりに重い荷物を担ぎ、長いコースを歩くと、筋力の限界よりも先に、膝が痛み出してきつくなることがよくありました。
しかし、ザムストのサポーターを着用してからは痛くなることはほとんどなかったんです。(このサポーターは、膝のお皿を固定することで運動中に起こる膝痛を予防してくれます。)
それが、100キロウォークの練習を始めたばかりで予期せぬことが起こりました。
サポーターなしだと10キロ歩いただけで膝が痛くなったんです。
それまでは勾配のある山道でも、重い荷物を担いでいなければ、10キロぐらいで膝が痛くなったことなんてなかったのに、、
理由は簡単で、ロード(アスファルト)はトレイル(土)より地面が硬いので、同じように歩いた場合は、地面から受ける衝撃が断然大きいからでした。
ロードになっただけで、こんなに歩けなくなるのか。。とショックを受けました。
そんなぼくが今回の110キロでは全く膝が痛くならなかったので、ぼくがレース当日に行なった膝痛の対策を紹介しておきますね。
まずはテーピング。
この「ニューハレVテープ」はマジですごい。
最近はマラソンやトレランのレースでも貼ってる選手をよく見かけますね。
テーピングというと技術や知識がいりそうですが、これは誰でも簡単に正しく効果的に貼ることができます。
ロールで買うより割高ですが、レース本番だけ使えばいいし、これで膝痛を回避できるなら安いもんです。
ちなみに、先ほどのザムストのバンド型のサポーターはお皿の上下の動きを抑制しますが、こちらのニューハレVテープは左右の動きの抑制に長けている気がします。
ぼくのレース当日の膝保護の仕様はこうでした。
一番下にニューハレVテープ
↓
その上からCW-Xのサポートタイツ
↓
更にその上からザムストのサポーター
- やりすぎやろー(笑)
それでも50キロ歩いた時点で不安を感じたので、普段山で使用しているサポート力が強いこちら↓のサポーターに変更しました。
結果的に、サポーターを強固にしたことも功を奏したのか、最後まで膝に痛みを全く感じることなくゴールできました。
当初10キロで痛みが出ていたことを考えれば、正直ミラクルです。
- ところが、そんなに甘くはないのが100キロウォーク。。
- レース終盤で事前にノーマークだった足首痛が発生したんです(苦笑)
それでも激痛ではなかったので、なんとか乗り切ることができました。
もし、これで保護していれば、足首痛も未然に防げたかもしれませんね。
次回参加することがあれば、必ずこれも用意したいと思います。
目指せ、痛み「0」で100キロ!
2019/4/25追記
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今年はX-TAPE(足首)を導入しました。痛みゼロではありませんでしたが、かなり軽減されました!
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選手の強い味方!優秀なサプリメントを紹介
最近のサプリは本当に優秀で、「気休め」ではなく「効果を実感」している方がほとんどです。
100キロウォークの場合は、サプリよりも気力や根性の方が必要ですが、あるとないとでは全然違うので、頼れるものには頼っときましょう♪
アミノ酸が筋肉のダメージや疲労軽減に有効なのは、今やスポーツ界の常識です。
後半には疲労で足が上がりづらくなったり、筋肉痛に苦しむ人は実際に多く、当日のエイドでアミノバイタルを飲んでる人をかなり見かけました。
ちなみにぼくはスタート前、8時間後、16時間後で3回飲みました。
レース後半で多くの参加者を棄権に追い込む原因となるのが「足の攣り」です。
こればっかりはどうにもならない。この痛みに耐えて歩き続きけるのは不可能です。
山登りをしていても、毎回疲れてくると必ず足が攣ってしまう友人がいて、本人が違和感を感じはじめた時点で「Mag-on」を1包飲ませてあげたら、あら不思議、結局その日は足が攣ることなく山行を終え、本人も驚いてました。
顆粒が苦手な方は、ゼリータイプだと水がなくても飲めるのでいいですよ。
ぼくはゼリータイプは飲んだことがないのでわかりませんが、顆粒タイプのMag-onに比べて効果が薄いという方もいるようなので、苦手な方は以外は顆粒の方が安心かもです。
それと水分不足は大敵なので、水分をたっぷり摂るように心がけましょう。
- 充分な水分補給
- マグネシウム系のサプリの摂取
この最強サプリコンビがあれば「足の攣り」はかなりの確率で回避できます!
最後の手段はみんな痛み止め!
最後になりますが、とにかくレース中は何が起こるかわかりません。
そして、棄権をする人のほとんどがなにかしらの痛みに耐えられず諦めるんです。
なので、最後はみんな痛み止めに頼ります(笑)
痛み止めは続けて服用すると、効きが弱くなるのが一般的なので、できるだけレース終盤まで温存しておくのがベターです。どれだけ早くても残り30キロまでは温存しておきたいですね。
ぼくの全32装備を全て紹介します!
こちらは2019年の糸島三都110キロウォークの時のパッキングリスト(装備リスト)です。
- 01.トレランザック
- ノースフェイスの日本未発売?のモデルです。15Lぐらいあるので、トレランザックにしては大きい方ですね。
ぼくの装備だとおそらく10Lでパンパンという感じですかね。 - 02.ウェストポーチ
- RawLow Mountain WorksのNuts Packというウェストポーチです。
ポーチ類があると、小物の出し入れがサクッとできて便利です。 - 03.サンバイザー
- いつも使っているランニングキャップが前日に見当たらず、、仕方なくサンバイザーと相成りました。。
- 04.カップ
- 糸島三都では必携装備となっているので。(給水用?)
- 05.ナルゲンボトル
- ナルゲンの500mlです。ぼくは予備の水を入れてました。
- 06.ウォーターボトル
- OMMのウォーターボトル(500ml)です。口を開けずに飲めるので便利です。
- 07.ソックス
- 記事内で紹介したイトイテックスの5本指ソックス。これのお陰でぼくはマメ知らずです。
- 08.Tシャツ(半袖)
- icebreaker(アイスブレーカー)のTシャツ。やっぱり濡れても冷えないメリノウールは最強です。
- 09.ロングパンツ
- Patagonia(パタゴニア)のバギーズパンツ。昼間の暑さより、夜の冷え込み対策を優先して。今回からショートパンツをやめました。
- 10.パンツ
- モンベルのジオラインなので速乾性に優れてますが、パンツもメリノウールにしたいですね。
- 11.コンプレションタイツ
- こちらもモンベル。本当はCWーXが欲しいんですが(苦笑)
- 12.サンガード
- こちらもモンベル。廃盤ですが、キャップとは別で後付けできるもので便利です。
- 13.アームカバー
- Columbia(コロンビア)のアームカバー。
- 14.手ぬぐい×3
- 手拭いは濡れたら、ザックにくくりつけておけばすぐ乾きます。予備も含めて3枚持っていきました。
- 15.ソフトシェル
- Patagonia(パタゴニア)のフーディニジャケット。
- 16.手袋
- 世界のMIZUNOのブレスサーモ(吸湿発熱素材)の手袋。これは手軽に使えて温かいので重宝してます。
- 17.Tシャツ(長袖)
- Patagonia(パタゴニア)のキャプリーン(長袖)。夜間は半袖Tシャツにフーディニジャケットだと寒いので、長袖は必須でした。
- 18.Tシャツ(予備)
- 汗冷え対策で念のため、予備で速乾性のTシャツを用意しましたが、使いませんでした。
- 19.財布
- 100キロウォークではコンビニなどの補給もOKの場合が多いので、お金は余裕を持っておいた方が安心です。
- 20.保険証
- 必携ですね。
- 21.薬類
- 痛み止めのイヴA錠、肛門用のワセリン、リップクリーム(意外と日焼けで唇がガサガサになるので)
- 22.サングラス
- 必携です。(本記事参照)
- 23.アミノバイタル
- ぼくは3本パックをスタート地点、30km地点、60km地点で摂取しました。
- 24.岩塩タブレット
- 今回は全エイドに塩が用意されてましたが、やっぱりタブレットが楽でいいですね。
- 25.ニップルバンド
- 必携です。(本記事参照)
- 26.ニューハレテープ
- 今回はVテープ(膝用)とXテープ(足首用)を、当時の朝に自宅で貼ってから出発しました。
- 27.腕時計
- Gショック。携帯で時間見るよりはあった方がいいですね。
- 28.ヘッドランプ
- PETZL(ペツル) のティカXP。ヘッドランプはぺツルの充電式がおすすめです。
- 29.自撮り棒
- 今回はレース中のライブ配信用に。
- 30.バッテリー
- Ankerのモバイルバッテリー
- 31.おにぎり
- 妻の愛情おにぎり6個。エイドの提供物と合わせて、2日目でちょうど6個食べきりました。
- 32.オレンジ?
- 皮ごと食べれるよ。って言われて前日にもらったので(笑)
良かったら、参考にしてみてください!
最後に・・
いかがでしたか?
思ったより対策しないといけないこと多いんだなーとか思いましたか?
でも、実際に「気合い」や「基礎体力」だけはどうにもならない、起こりうるトラブルを事前に想定し、対策をしたものだけが完歩することを許される。それが100キロウォークなんです。
ぼくは参加を決めた当初、レースをよく知る方から「完歩は無理だと思いますよ。」と言われました。
自分でも10キロで膝が痛くなったときは「こりゃ無理そうだ。」と思いました。
それでもぼくが無事に完歩できたのは、登山で日頃から足腰だ鍛えられていた。という前提がありますが、やはり予備知識があり、準備や対策をしたところによるものが大きいと思います。
備えあれば憂いなし!
みなさんもぜひ参考にしてみてください!
↓ぼくが完歩した糸島三都110キロウォークについてはこちら
日本一過酷!?糸島三都110キロウォークを歩き抜きました!