トレランの草分け!カントリーレース(八幡山岳会)のココがすごい!
最終更新日 2019.10.2
去る3/31に行われた「八幡山岳会のカントリーレース」でスタッフとしてお手伝いさせていただきました。
カントリーレースは、ぼくが来年から運営を引き継ぐことになった「九千部山のトレラン」とも協力関係にあって、これまでも主催者同士お互いにレース当日は手伝ったりしていたそうです。
そういった経緯があったのと、長い歴史をもつこの大会からは学ぶことも多いだろうと思って、手伝わせていただくことになりました。
というわけで、カントリーレースの紹介をしていきたいと思います!
もくじ
約50年続く、歴史あるトレランの草分け的存在です!
先日(2019年3月)行われたカントリーレースが第97回でした。
年2回開催されるので、ざっくり50年ぐらい前から続くレースです。
- もしかして初期の頃はちょんまげに地下足袋!?
- そんなに昔ではありません。。
八幡山岳会の行事として、正月、5月の連休に行われる雪山合宿の前に、自分の体力・気力が充実しているかどうかを計るものとして行われてきました。「己の耐力への挑戦」自分との戦いです。
カントリーレース公式サイトより引用
その後、紆余曲折あって、山岳会メンバーと一般参加者のレースを分けて行われるようになったそうです。
ちなみに今も、山岳会メンバーのみのレースは翌週に行われていて、主催者の安部さんの話によると、そちらの方は非常に質素で、スタッフもいないので、ゴールをしてもそのまま帰るそうです(苦笑)
しかし、これだけ長く続くには理由があると思いませんか?
ぼくは、この「己の耐力への挑戦」という理念に尽きるのはないかと思います。
流行り廃りのビジネスでもなければ、もはや単なるスポーツでもない。
いつの時代も、人生で一番の敵は「己」であり、その壁を突き破るために用意された大会だからこそ、それが参加者に伝わっているからこそ、愛され続けている。
その辺りは「3,000円」という破格の参加費からも運営側の方針が伺えると思います。カントリーレースはそんなストイックで男前な大会なのです。
大会概要
- 開催地
- 福智山地
- 受付場所
- JR採銅所駅前(福岡県田川郡香春町)
- 期日
- 年2回(3月と11月、最終の日曜日)
- 参加資格
- 満16歳以上(18歳以下は要保護者の同意)
- 参加費
- 3,000円(傷害保険、軽食、ゼッケン、他雑費)
※事前に郵便振替にて振込 - 定員
- 180名(先着)
人気ですぐ埋まるらしいので、申込はお早めに! - 公式サイト
- カントリーレース公式サイト
カントリーレース事務局公式Facebookページ
カントリーレースは年に2回あるのが特徴で、3月は受付場所の採銅所駅は桜がちょうど咲く頃になります。
ちなみに11月は寒いのは当然ですが、3月も意外と寒いですよ!(縦走路では雪が散らつくこともあるぐらい)
それと、もう一つの特徴が「歩きの部」と「走りの部」に分かれていること。
- 歩きの部でも走っていいんでしょー?
そうなんです。歩きの部は「主に歩く人」がエントリーするだけで、走っても全く問題ありません。
つまり、ざっくり言うと、時間がかかる人はスタート時刻が早い「歩きの部で出場しましょう。」的な感じです。
九州屈指のハードなショートコース
コースもまた特徴的です。
まず「コースの99%がトレイル」です。
これは嬉しい。ロード(舗装路)は足への負担が大きいですからね。
そして、何よりもトレイルの方が気持ちいい♪
距離は「約24km」です。
- 24kmってショートコースなの?
そうなんです。近年トレランはどんどん距離が伸びていて、50〜60kmは当たり前で、九州ならART(阿蘇ラウンドトレイル)など100kmを超えるレースも増えてきています。
実際に、多くの大会でも「フル」と「ショート」があって、ショートでも30kmを超える場合が多いですしね。
しかし、24kmと言えど、ハーフマラソンなどとは違って、強烈なアップダウンがあるので、フルマラソンぐらい消耗すると言う方もいます。
実際に、トップの方でも2時間半はかかるので、かなりハードなのは確かです。
コースマップ
赤が「上り区間」で青が「下り区間」です。
スタート地点は受付になる「JR採銅所駅」からゆっくり歩いて15分ぐらいの「牛斬山登山口」で、ゴールは皿倉平になります。
大まかなルートはこんな感じ。
牛斬山登山口→牛斬山コル→福智山→尺岳→皿倉平
こうして見ると、下りの方が多いですが、前半の上りがめちゃくちゃハードなので、総合的にきつい印象になります。。
しかし、逆に言えば、苦しい前半を乗り切ってしまえば、あとは気持ちよく走れるということです。
- 乗り越えられればね(苦笑)
標高グラフ
累積標高差(+) 約1,500m
累積標高差(-) 約1,150m
数値でも分かる通り、累積標高差は上りの方が多いです。
一気にダッーと登って、ユル〜ッと下りが続く感じです(笑)
コースを順にチェック!
ぼくはカントリーレースは走ってませんが、福智山地の縦走はプライベートでしたことがあるので、その時の写真を交えながら、コースを見ていきましょう♪
牛斬山までの登り
この樹林帯がダラダラと続く序盤は本当にきついんです。
トレランは山を走るので、序盤に登るのが一般的ですが、それにしてもなかなかの急登です。
実際には、ここを乗り越えても、まだきつい上りはちょいちょい出てくるので、ここで無理しないことが大切です。
一歩一歩着実に..
気持ちの良いトレイル
牛斬山コルをすぎると、このようなシングルトラックの縦走路が続きます。
- これぞまさにトレイル!堪らーん!
とは言っても、アップダウンを繰り返しながら、徐々に登らされる感じです。。
出た!焼立山(赤牟田の辻)の急登です。
ここでまた容赦なくランナーの脚を潰しにかかります(笑)
しかし、上から振り返るトレイルは素晴らしい♪
さて、現実に戻り、進路をみると、果てしないコースが続くことに愕然とします(笑)
遥か彼方に次なるピークの福智山
そして、ここから嘘みたいな「激下り」が始まります。
- 見えないけど、見えないからなんとなく想像できるでしょ?(笑)
標高グラフを見ればわかりますが、このぐらいの斜度になると、普通はつづら折りになりますが、ここは完全なる直滑降です(笑)
その名も「念仏坂」
- なんか不吉!笑
激下りの後は、すぐに嫌がらせ感満載の小ピークが現れ、また下って上って、、
そうこうしているうちに、徐々に福智山ピークが近づいてきます。
残念ながら福智山ピークの写真はこれしかありません。。
福智山山頂はひらけているので、天気が良ければ素晴らしい眺めが拝めます!
そして、ついに福智山から先は下りに突入します!
山頂から少し下ったところ(コース上)に、荒宿荘という山小屋に併設されたバイオトイレ(使用料100円)があり、その少し先には通称たぬき水と言われる水場(湧き水)があります。
尺岳平には「簡易エイド」が設けられていて、給水ができる他、コーラ、お菓子、果物などが用意されています。(人力の荷揚げの関係上、量は少ないとのこと)
なお、尺岳平では通過チェックも行われますので、通常リタイヤの場合はここで申告します。
その後は、多少のアップダウンはあるものの、市ノ瀬峠までは下り基調となり、気持ちよく走れるトレイルが続きます。
樹林帯のシングルトラックも良いですね♪
そして、市ノ瀬峠で一般車道を横断して、ゴールの皿倉平まではラストの上り、正念場になります!
私設エイドがホテルバイキング並み!?
カントリーレースの名物と言えば「じゃむ屋さんの私設エイド」です。
遠賀郡芦屋町の「じゃむ屋」さんがご好意でされている、市ノ瀬峠の私設エイドがすごいんです。。
百聞は一見にしかず。まぁ見てくださいな。。
2017年3月の開催時
- なんじゃこりゃー!?
2016年11月の開催時
やばい、これはやばすぎる。。エイドの固定概念をぶち破りまくっている。。
キッシュ、フルーツサンド、プリン、ガトーショコラ、ひとくちショートケーキ、おかし、ソーセージサンド、アボカドクリームチーズサンド、みかん、それ以外に札がついてないものも。。
- ピクニックシート必須です!笑
信じられないような奇跡のエイド、でも本当なんです。。
しかし、残念ながら、平成30年7月の豪雨災害で市ノ瀬峠への林道が閉鎖されて以降は、車両の侵入ができないため、じゃむ屋さんの私設エイドは出ていません。(林道の補修を待ちましょう♪)
ちなみに、じゃむ屋さんは野菜ソムリエが「手作り」「無添加」にこだわったお店で、ジャムやスイーツの販売の他、ランチなどもできるお店さんです。
なんでもオーナーはトレランをされている?してた?とか(まっつん調べ)
野菜、果物をもっと食べてもらえたら農家さんを支えることにつながるのではないでしょうか。そういう想いから1つ1つ手作りで野菜、果物をふんだんに使った季節のジャムを作って販売しています。ジャムの技術を応用してスポーツ中での無添加のカロリー摂取食品として「無添加ジェル」も製造販売しています。
じゃむ屋さんのネットショップより引用
コンセプトも素敵ですね。
ぼくも実はラリーグラスでこの「ジェル」を購入し愛用していて、これがめっちゃ美味い!お気に入りの行動食です♪
オンラインショップでも購入できるので、興味のある方はぜひお試しください!
ボランティアスタッフが頼もしい!
ボランティアスタッフの皆さんもまた素晴らしいんです。
ほとんどの方が主催者の安部さんからの繋がりで集まっている方たちなので、もう何年も継続している方が多く、結束力もあるし連携が良くて頼りになります。
こちらの写真は第96回で受付の手伝いをされた方たちですが、それ以外にも炊き出し担当の女性陣がいて、総勢20名前後の方たちがいます。
こうしたボランティアスタッフの支えがあって、人気の大会は成り立っているわけですね。
疲れを吹き飛ばすゴール後の「豚汁」とビール
ゴール地点の提供物コーナー
手作り感がいいですね〜
コーヒーにコーラにお菓子、そしてビールまで♪
そしてそして、、
炊き出しの豚汁!
美味しくない豚汁を食べたことはないけど、これはマジでうまい!
- 豚汁最強!!
おすすめはラー油だよ♪
と言われましたが、、
- ぼくは断固として柚子胡椒派です(笑)
炊き出しを待つゴール後の選手
秘伝のレシピとかあるのかもしれませんが、スタッフの方たちから選手への「お疲れ様」がきっと隠し味なのでしょうね。
今いいこと言ったよね?笑
やっぱり入賞者とじゃんけん大会の景品がすごい
九千部山のトレランも景品がすごいのは有名ですが、やっぱりカントリーレースも同じようなメーカーが協賛しているだけあって、パタゴニアやA&Fカントリーなどの豪華景品がずらりと並びます♪
男女それぞれ1位(第97回)のお二人
ちょっとシュールな感じになってますが、エプロンはA&Fカントリー提供のPENDLETON(ペンドルトン)のワークエプロンです!笑
男女2位のお二人(第97回)は揃ってバギーズショート
女子3位の方はトートバッグ
恒例の景品じゃんけん大会
景品目当てで参加される方はいないと思いますが、やっぱり盛り上がります♪
九千部山もそうですが、なぜこうした小規模なレースなのに、メーカーがよその大会ではありえないような提供をしてくれるのだろうと思って、当日パタゴニアの担当の方に聞いてみました。
やっぱりカントリーレースや九千部山のトレランは、流行りやビジネスではなく、トレランという言葉がない頃から、山や自然を愛する人たちが続けてきた大会で、ぼくらもリスペクトの気持ちがあるからです。
と仰ってました。
九州のトレイルランナーなら一度は出ないかん!
ぼくが言うまでもありませんが、九州でトレランをされる方は一度は出てみてほしいです。安いですしね。
参加者は周りのランナーにこう言うそうです。
アットホームでいい大会だからオススメだよ。
そう、アットホームでいい大会なんです。
最後はこれに尽きます。
ありがたいことにゴール地点では撮影係を仰せつかったので、一部ですがまとめて載せておきます。
みんな笑顔のゴールシーン
入りきらなかった集合写真(レンズの問題で)
ぼくはこれからもお手伝いする予定です。これを見た皆さんは、毎年2回、会場で会えますね(笑)
次回もエントリーお待ちしております!
ついでに「九千部山トレイルランニング(毎年3月開催)」もよろしくお願いします!